2016年2月29日月曜日

演出家の独り言③


竹内銃一郎氏のこと。
直接会って口を利くようになってからでも三十数年になる。
最初はその作品というか劇団(秘法零番館)のファンとして。秘法の旗揚げ公演の1980年『あの、大鴉さえも…』は見逃している。最初に観たのは大塚ジェルスホール『溶ける魚』だと思う。
1984年、文学座の研修生として『あの、大鴉さえも…』を自主勉強会で上演して、それを文学座のアトリエ横の稽古場に観に来て下さった竹内さんや秘法の木場さん、小出さんとお話した記憶が鮮明にある。「君はどうも文学座風じゃないね」とどなたかに言われた。それほど下手だったのだろう。
その翌年1985年に今度は正式なアトリエ公演作品として『事ありげな夏の夕暮れ』という作品に出演(いちおう主演)した。稽古を観てのダメ出しが演出家(西川信廣さん)と作者(竹内さん)の言うことがまったく正反対で、いったいどっちを聞いたらいいんや!と迷わされたことが懐かしい。

1988年に私は文学座を辞め、1989年1月にMODEを旗揚げし、役者から演出者に転向した。
この1989年に秘法零番館は解散するが、竹内さんは精力的に作品を発表し続ける。
ただし、私はMODEを始めたばっかりで、もっぱら自分の舞台作りに励んでいたから、じっさいに観ていない竹内作品がずいぶんある。
2000年にはなんと役者としてお声が掛り、名作『月ノ光』に出演する。佐野史郎、岡本健一、小日向文世さんら豪華キャストと共演という夢のような時間。
その後、MODE公演として2002年に『恋愛日記』をザ・スズナリで演出。十年後の2012年にすまけいさん主演の『満ちる』を書下ろしていただく。MODEのホームページにすまさん、竹内さん、私の鼎談が載ってます。

この間、2003年から私は近畿大学の文芸学部芸術学科に勤務することになったのだが、そこに数年前から赴任されていたのが竹内教授であった。一昨年に竹内さんが退官されるまで十年間、私の上司というか同僚として同じ大学でセンセイをやっていたわけである。ずいぶんと深い仲なのではある。

今回は端折るが映画監督・黒木和雄氏を巡る関係など、これまた不思議と縁のある竹内さん。
今回の『あなたに会ったことがある・4』が生まれる経緯については、次回に書きます。

2016年2月28日日曜日

演出家の独り言2016②

インフルエンザは完治しました。
一回目の時に「これから千秋楽までの約ふた月間、書きます」なんて書いていて、
大ウソつきで、ごめんなさい。いきなりブログ休んでしまいました。
3月16日の初日までもう18日となりました。

さて、昨日、初めて「通し稽古」をやりました。じっさいにノンストップでやってみると色々発見があります。今回は10場構成の作品ですが、ひとつひとつの場面を個別に稽古しているとついつい「丁寧に作ってしまう」「大事に演じてしまう」傾向に陥りがちになります。それは芝居作りの初期の段階では決していけないことではないのですが、10場面を一気に連続してやってみると、「くどい」とか「同じテンポが続いてしまう」とかいったことに気付くものです。昨日もそんなことが気になりました。
今日からは、これまでに作ってきたものをベースにしながらも、「くどい」ところはさっさと進めるとか、テンポを変えるとか、全体の流れを調整する作業にも手を付け始めました。

今回は私も出演し、それもかなりの時間、舞台上にいるという役柄です。本番中いざとなれば、「今日はテンポが悪いから、ちょっとアップテンポにしよう」そんな指示を、まるでオーケストラの指揮者のように役者たちに指図できるかもしれない……なんてこと考えるのですが、きっと不可能です。舞台上でそんな冷静な判断が出来るなら、私はもっと良い俳優になっていて、今頃、演出などはやっていないはずなんです。ですから、今のうちに全体のテンポとかスピードを企んでおかなければなりません。
ただし、これらは劇場に入ってからが本当の仕事になります。いくら稽古場で上手く場面が成立しても、劇場でそのように行くとは限らない。その逆もあります。

それにしても、今回は竹内さんのホンがあるから、ある意味では「楽」であります。
そのホンをちゃんと面白く演ずることは「楽」ではありませんが、これまでの『あなたに会ったことがある』シリーズやカフカの大作シリーズなどは、最初にホンが無かったのですから、それに比べると今の現場は「らくちん」です。最初にホンが無く、ワークショップで作ってきた舞台の数々、その現場はじつにハードでした。あまりにハードだったものだから、力尽きて今、MODEを休もうとしているのかもしれません。

2016年2月27日土曜日

稽古場より 0227

演出助手の村野です。
2月、休みをはさみながら稽古を進めて参りました。
今日は稽古後に引っ越し、実寸をとれる場所に移動しました。


先々週はなんと、小嶋さんがインフルエンザに罹患。
あわせて前東嬢がウィルス性胃炎とやらにかかり、
とうとう稽古場閉鎖となりました。
そして翌日に前東嬢、その翌日に小嶋さんがどうにか薬の力で、
万全とは言わないまでも復活した…と思ったら、なんと。
松本さんがインフルに罹患してしまいました!


花粉症の割りには鼻水と悪寒が激しい、と病院に行ったところ、
インフルエンザA型(小嶋さんと同じ~)と診断されたとのこと。
「休んでください!!」
と、自主稽古になりました。
その前々日には居酒屋に行っていたはずですが…。


その後、みんな慎重になったおかげか、病人怪我人出ておりません。
そして今日はようやく、初通しでした。


みなさまもどうぞ、ご自愛くださいませ。

2016年2月6日土曜日

演出家の独り言2016①

2月6日

お久しぶりです。
この「演出家の独り言」はちょうど一年前の今頃、MODEドラマスクールで若手たちとワークショップ公演をやっていた時以来となります。3月に久しぶりのMODE公演をやります。昨年の5月に柳橋の素敵なアートギャラリー、パラボリカビスで小さな公演「カフカ・パフォーマンス」をやりましたから10か月ぶりの東京での演出となります。

さて、MODEはこの3月の公演をもって、しばらく活動を休止しようと考えています。
ま、思い切って「解散公演」とか「最終公演」とか銘打っても良いのかもしれません。でも、なんとなく数年したら、いや、もしかしたら1、2年後には活動再開!ってなこともあるかも…、と思うので、とりあえずは「活動休止」としておきます。

休む理由は色々あります。このブログでも触れるかもしれませんが、今回の『あなたに会ったことがある・4』のチラシの裏にもちらりと書きましたが、なんだか今の演劇界が私にとってあまり楽しくない、やっていて浮き浮きした気持ちになれないからでしょうか。

たまに東京に戻ってくると、相変わらず東京の演劇シーンは賑やかそうでどの劇場でもたくさんの新作が作られていますし、たぶんどこの劇場も観客で溢れているのでしょう。あ、ちなみに私はここ最近はほぼ大阪で暮らしています。勤務している近畿大学での仕事がけっこう忙しいからです。
そんなこともあり、東京の演劇シーンと距離ができているからかもしれませんが、なーんかつまらないのです。どうしてそう感じるのか、それはおいおい述べたいと思います。大阪の演劇シーンはハッキリ言って東京に比べるとショボイです。かなりショボイです。でも、それはつまらなくはない、そう感じるのです。それについてはまた書きます。

3月公演の楽日までの約ふた月、勝手気ままに書きますので、お暇ならお付き合い下さい。

松本修

2016年2月3日水曜日

「あなたに会ったことがある・4」公演ブログ開設


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松本修の「演出家の独り言」や、稽古場情報をお届けいたします。
お楽しみに!

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