2016年3月11日金曜日

演出家の独り言⑤

チラシの絵について。
何人かから問合せがあり、竹内銃一郎さんにも「あれ、誰の絵?」と聞かれました。
なんか自分は、レヴィタンと言えばチェーホフ、と勝手に思い込んでました。
チャイコフスキーといえばチェーホフとか…。ま、チャイコフスキーとチェーホフの関係はあまりに有名ですが、レヴィタンはマイナーな画家なんですね。
思い起こしてみれば私だって、1996年にロシアに行き、モスクワのトレチャコフ美術館でレヴィタンの絵を初めて見たのでした。そこで買ったレヴィタンの画集はとても印刷の悪い、日本で言えばまるで古本屋で見つけた戦前の画集のようなものなんですが、なにかそれも良い感じで、いまだにたまあに手に取ってはぼーっと眺めています。
イサーク・レヴィタンはロシアのチェーホフと同時代の風景画家です。現在のリトアニアに生まれたユダヤ人です。1870年代にモスクワに出てきて、モスクワ美術学校で学び、チェーホフの兄である画家ニコライ・チェーホフらと親交をもち、やがて弟のアントン・チェーホフと親しくなりました。



添付したこの絵がチラシの作品「ソコルニキの秋の日」です。歩いている女性はまるでチェーホフの小説や戯曲の登場人物に見えますね。風景も物語の背景そのものです。
晩年のレヴィタンはクリミア半島のヤルタにあるチェーホフの家で過ごしたそうです。私は20年前に訪ねたことがあります。チェーホフの家は生前のままに記念館になっています。
 
もう、一点「岸」という作品を添付します。まさにロシアの風景です。寂しいですね。
チェーホフの作品、とくに戯曲の舞台となっている田舎にはこんな川岸や湖畔の光景があったのでしょう。チェーホフ作品の登場人物たちがどうして、ああも冗舌なのか、変わり者なのか、我がままなのか、それがわかるような気がします。


レヴィタンはチェーホフの埋葬されているモスクワのノヴォデヴィチ墓地、それもチェーホフの隣に埋葬されているそうです。
じつはチェーホフのお墓は2007年に訪ねてお参りしたのですが隣がレヴィタンの墓だとは知りませんでした。

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